2024-08-23 18:00-19:30 晴 29.6-28.5℃
掲題、苦手な方は見ないことをお勧めします。
また来年、探してみようかなと思っていましたが、懲りずに再度、出かけてみることにしました。
カブトムシを探して、いつもの公園へ - b-rec. 身近な野鳥の観察記録
クヌギの幹を、ライトで探していると、う〜ん、良い感じではない(笑)昆虫が集まっていました。ヨコヅナサシガメのようです。成虫になる前は赤い部分があるとか。ひえ〜という感じでした。
シロテンハナムグリは見つかるのですが、カブトムシ、クワガタムシはいません。
なぜか、ナメクジがたくさんコナラの幹にいるのでした。どうも、樹上の葉を食べに登っているようです。他の木の幹にも、キラキラ光る筋状の部分があり、なんだろう?と思っていましたが、どうやらナメクジが通った後のようです。ナメクジといえば、植木鉢の裏側にいるイメージでしたので、びっくりしました。夜行性だそうで、なるほど、と思いました。
今日も見つからなかったなあ、と思いながら、最後にこの間のアカボシゴマダラがいた木を見にいくと、コクワガタのメス! 結構満足しました(笑)。
カブトムシについて、調べてみると、
カブトムシ族 Dynastini は熱帯、その中でもやや標高の高い山地の熱帯林に生息する種類が多く、雑木林など人里に多い本種は世界的に見れば珍しい生息傾向
とのこと。さらに、
カブトムシはシイ・カシ・タブノキなどの原生林で細々と暮らしていたが、人が薪炭やシイタケ栽培の原木(ホダ木)の原料として、クヌギ・コナラ・アベマキなどといったカブトムシの成虫が好む樹液を出す木を利用するため、伐採や下草刈りなどを行ってこれらの樹種による雑木林を維持してきたことや、雑木林の近くで畑の肥料として用いる堆肥を作るようになったことにより、幼虫の餌場が形成されたこと、またシイタケ栽培の副産物となるクヌギの朽木も幼虫の餌として提供される形となっていることが要因となり、人が作る里山環境の中で繁栄していったと考えられている。
日本のカブトムシは、人とのつながりが強いようです。へえ。
また、クヌギについても、調べてみました。樹液が出続けるのは、なぜだろう、と思っていました。傷ついても、塞がっていくはずなのに。
樹液は以前はシロスジカミキリが産卵のために傷つけた所から沁み出すことが多いとされ、現在もほとんどの一般向け書籍でそう書かれていることが多いが、近年の研究で主としてボクトウガの幼虫が材に穿孔した孔の出入り口周辺を常に加工し続けることで永続的に樹液を滲出させ、集まるアブやガのような軟弱な昆虫、ダニなどを捕食していることが明らかになった。
そうだったのか!という感じでした。さらに、このボクトウガもすごくて、樹液が出ると、スズメバチ(ボクトウガの幼虫にとっては、捕食者)も寄ってくるはずなのですが、スズメバチが嫌がる成分を出すそうです。すごい。
他にも、出典が不明になってしまったのですが、樹液が出ているクヌギがどれくらいあるかというと、一つの山で5%、という記事を見ました。
今日は、先日とは作戦を変えて、広い範囲で早くクヌギを探していくようにしたのですが、見つけたクヌギは20本弱で、1本あるかないか。まあそんなところかなと思いました。
また、2020年の記事ですが、カブトムシの幼虫に関する研究が、面白かったです。
幼虫の成長はとても早く、孵化した幼虫は2回の脱皮を経て、2~3か月後には1000倍近くもの体重に成長します。しかし、その後、蛹になるまでの約半年間に体重の増加はほとんどみられません。なぜ体重は幼虫の初期に飽和してしまうのでしょうか?
このことに対する有力な答えは“冬があるから”であると考えられます。カブトムシの幼虫は10℃以下になると摂食などの活動がほとんど停止します。夏の終わりに孵化した幼虫は約3か月後に冬を迎えることになります。その前にできるだけ大きく成長すれば、厳しい冬を乗りこえられる確率が高くなるはずです。
もし、カブトムシの幼虫の急速な成長が、冬までに大きくなるための適応であるならば、冬が短い地域、つまり南方では、幼虫の急速な成長はみられないかもしれません。つまり、緯度と成長速度には正の関係がみられる可能性があります。
このことを検証するために、私たちは「異なる緯度由来のカブトムシ間で遺伝的に定められた成長速度に違いがあるかどうか」を比較しようと考えました
見た目は同じでも中身が違う!? – カブトムシの幼虫における成長速度の地理的変異を明らかに | academist Journal
花粉を運ぶ昆虫と、植物の関係も面白かったですが、カブトムシ〜クヌギにまつわる話もとても面白い。複雑な生態系、という言葉が、実態を持って感じられる気がします。